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あたしはここにいる
言葉がわからなくて、沈黙の壁を作りひっそりと暗い場所に閉じこもろうとしていた私を、明るい場所に引き止めることに成功したのは、音楽の先生だった。


==============


笑顔さえ浮かべていれば、バカだと思われることはあっても、嫌われることはないわ。極力「alien」っぽい振る舞いをしないように気をつけて、知ったかぶって黙っていれば、いじめられないわ。黙っていれば、へたな英語を聞かれずに済むわ…


ひっそりひっそり。
みんなの言葉を吸収するまでは、影の中でみんなのことを見て、ここでの過ごし方を学んでいけばいい。


だけど、目立ちたがりの私に、自分の存在を極力薄くするのは、酷なことで、学校に行く車の中では必ずお腹が痛くなったし、学校で黙っている分、家ではものすごく騒がしくなった。


どこにいっても、ほんとうのじぶんだけがみつからない。
ううん、みつけちゃいけないの。
それはときがくるまで、ふれてはいけないものよ。
うっかりひろって、みんなのめをひきたくないんだもの。


でも、黙っていることで、みんなに気付かれないで済むとは限らないということがわかるまでに、そう時間はかからなかった。


同じ学年の子はみんな優しかったけれども(すでにこのクラスには日本人の女の子がいたから)、一つ上の、ちょっと派手な先輩たちには、狭い廊下でとおせんぼされたり、ラクロスのスティックを隠されたり、地味ーな、嫌がらせなのかそうじゃないのか、というラインぎりぎりのことを繰り返された。


それでも黙って耐えることしたできなかった自分が情けなくてしかたなかった。


私はただのからっぽのからだじゃない。
私だって、ちゃんと、心も持ってる。


===============


ある日の合唱の授業で突然、おじいちゃん先生が
「ようこは何か楽器が弾けるのかな?」
と話しかけてきた。引っ越してくるまでは、ピアノを習っていたけれど、みんなの視線を集めて、萎縮しきっていたし、そもそも、とても上手とはいえない腕前なのに「弾ける」と言っていいものか、しばらく考えた。結局、弾ける、とは言わずに、
「ピアノが好きです」
と答えると、先生は手招きして、私をピアノの前に座らせた。


「もうひとつのようこの声だね、きかせてごらんよ、なんでもいいから」


どぎまぎしながら、何度もつっかえながら、本当に簡単な曲を弾いた。
もう一人の日本人の子は、私よりもよっぽどピアノが弾けることもわかっていたから、緊張はなおのことだった。こんなに間違えてしまった、またバカにされるに違いない。。


そう思った私の予想を大きく裏切って、クラスのみんなは、おおげさなくらいに私のピアノを賞賛した。もっと弾いて、もっと弾いて。。


朝の礼拝で、音楽の先生が欠席したときに、賛美歌の伴奏を校長先生から頼まれるようになる頃には、講堂につながる廊下でのとおせんぼも、ラクロスティックが突然消えるようなことも、なくなっていた。

author:la-ventana2, category:イギリス現地校生活, 23:55
comments(2), trackbacks(0), pookmark
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Comment
ぱ、ぱとらっしゅ…!!(笑)

こないだまでのブログとどう整理していくかが今後の課題ですー。。
ようこ, 2006/02/15 1:07 AM
いい文章書くな〜、感動しました
パトラッシュ, 2006/02/14 1:03 AM









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